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『目を開けろ』 『起きろ。11920』 今回、また俺は別の世界にトリップしてしまったらしい。しかも最初の世界での目覚めと状況が酷似していた。(しかも何語だよ、イタリア語?) *** 薄っすら開いた眼球にチカチカとライトが当てられる。明滅する白い光が突き刺さるように痛くて、思わず顔を背けたら顎を掴んで引き戻された。 痛みと怒りで瞳孔がきしりと縮んだのが分かる。覗き込んでいた男(もしくは女)が小さく悲鳴をあげて飛び退いた。情けない奴。 興味が失せて、俺は周囲を見回した。 最初に認識したのは白い天井、そして上下に間別無く大量に張られたチューブとそれに連なる巨大な機器が立てる低い轟音と軽いプッシュ音。 身の内を抉る鈍い振動。 そして人がさざめく音と布の擦れる音、自分を覗き込む白い防護服を着た人間。 究極にアイデンティティの欠如した集団。無機質を追及したような部屋。壁の一面に張られた巨大な鏡(おそらくはマジックミラー)。 四隅の輪郭がぼやけるほど満ちた白い光が、まるでエイリアンに攫われた哀れな地球人のドキュメンタリを実施体験しているようだ。もしくはNASAに捕らえられた火星人の解剖ビデオ。 どちらにしろあまり現実味がなかった。頑張れば夢だと思い込めるくらいには。 『脳波正常、脈拍正常、視神経も正常に機能。オールグリーンです』 『何なんだこいつは……!この状態でまだ自我を保っているのか!』 幸先は良くないらしい。いったいどんな状態なんだ、俺。 ほんと、もういい加減にしてくれよ |