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俺は緩やかに瞼を開けた。 なにやらひどく身体が重い。 ついでに頭も重くてぐらぐらする…。 どうやら倒れているらしい。 すぐ目の前には茶色の土、 鼻先を草がくすぐっている。 どこだここは。 何かがおかしい。 あれだけ身近に感じていた星の囁きが聞こえない。 いや、 ない……のか。 ライフストリームの流れが感じられない。 だけど、 その代わりに別の力を感じる。 この星を、 世界を支えている複数の力。 強大な、 何にも代えられない力。 また違う世界に飛ばされたのか、 もしくは呼ばれたのか……。 溜息を吐きたくなった。 起き上がれば緑、 見上げれば青があった。白やピンクの花が咲き乱れ、 その周りを色鮮やかな蝶が舞っている。 常世に来たのかと思うくらい幽玄で穏やかな光景だった。 ………視点が違うが。 完璧に立ち上がったつもりなのに、 驚くほど地面が近いし草が背高い。 世界が違うのはなんとなく分かるのだが、 規格自体が違うのだろうか。 それに頭が重い。 熱っぽいと表現できる。 この長年、 忘れていた感覚だ。 起き続けているのが億劫になって再び身体を横たえた。 ぐったりと身を地面に押し付ける。 ふと人の気配を感じた。 身体が重く、 殺気もないのでゆっくりと立ち上がり、 振り返る。 そこにいたのは少年だった。 目を瞠って俺を―――――を見詰めている。 赤いゆったりとした上着に浅黄のズボン。 見かけたことのないデザインだ。 どこの地方の服装だろうか。 緑のパンダナを頭に巻いた少年。 黒い髪に褐色の瞳。 意志の強い、 見る人に鮮烈な印象を与える瞳。 そしてそれは俺も例外ではなく。 「何でこんなところにいるんだい?怪我してるの?」 何でって…そんなの俺が聞きたいくらいなんだが。 「こんな草原に猫がいたら危ないよ?」 猫?辺りを見回すが猫などいない。 困惑して少年を見上げると……………………………………………見上げると? そう、 何故か俺は少年を見上げているのだ。 明らかにおかしい。 少年の背格好を見る限り、 俺の外見年齢よりも10は年下のはずなのに。 最近の子は発育がいいにもほどがある。 唖然として少年を見詰めていると、 愛らしいものを見るような顔で近寄ってきて、 ひょいと抱き上げられた。 ここでようやく気付いた。 大剣を握る見慣れていた手は黒い毛に覆われ、 桃色のぷっくりした肉球が出来ている。 その左手…………この際左前足と言ったほうがよいが、 不可思議な痣が浮かび上がっていた。 その部分だけ毛の色が薄くなっている。 毛の流れのせいでその形はぼんやりとして捉えられないが、 幾何学的な形をしているのは確かだ。 意識すると、 トクンッと大きく波打った。 そして尻尾。 下を向いた際にゆらゆらと長い見事な尻尾が揺れている。 それらと少年の言葉を合わせると、 つまり、 今、 俺は、 猫の形をしているというわけで……。 「嘘だろ……………」と呟いたつもりの言葉は 「なーー……………」という何とも愛らしい鳴き声で出てきた。 少年が大きいのではなくて、 俺が小さかったのだ。 「迷っちゃったの?グレッグミンスターは結構遠くにあるし……首輪してないなら野良だよね?」 いや、 ね?って言われても喋れないみたいだし……。 あぁでもグレッグミンスターって聞いたことあるようなないような。 「なーー……?」 「具合悪そうだね……んー、 とりあえず僕の家においで。 ここ、 モンスターとか出て危ないし。」 おいおいおいモンスター出るのかよ。 というか子供が一人でこんなとこにいるんじゃねーよ危ないだろうが!! そう言いたくても出てくるのはなーなーという鳴き声ばかり。 くそっ!俺の人生、頭の痛いことばっかりだ…! ++あとがき++ 突発的に始めてしまいました、 幻想水滸伝です。 主人公はFF7の主人公がベースです。 計画性無く始めたものなので更新はめちゃめちゃ遅くなると思います。 というか読んでくださる方いるのでしょうか…(汗 |